【イップスの原因は何?】スポーツ選手に起こるイップスメカニズムを徹底解説します。

【イップスの原因は何?】スポーツ選手に起こるイップスのメカニズム徹底解説します。 イップス・ジストニア

今回のブログ記事は、

イップスで身体が思うように動かないとお悩みのスポーツ選手に向けた

イップスメカニズムの徹底解説です。

 

この記事を読むことで、

✅イップスがどうして起こるのかが理解できます。

間違ったイップス克服方法から正しい克服方法へと変更できます。

 

私は、現在で18年間カイロプラクティックの業界にいます。

色々な施術方法でクライアントさんに貢献してきました。

現在は、心と身体の両面にアプローチする施術を行い、イップスやジストニアの悩みもサポートしています。

今回の記事がイップスに悩む人の助けになれば幸いです。

 

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イップスという相手を知ろう

イップスという相手を知ろう

まずは、イップスという相手を知りましょう。

 

イップスは、ジストニアの一種で、運動を司る脳の機能異常によって起こる運動機能異常です。

ジストニア診断マニュアル2018には以下のような記載があります。

一定の作業姿勢の持続や身体の一部の反復使用を必要とする業務に従事する労働者やスポーツ選手に生じるジストニア。

Tompsonは職業性ジストニアを発症した業種をまとめており、音楽家、スポーツ選手、専門職の職人のように細かい運動コントロールが必要な職業があげられている。

ゴルファーがパッティング時などに腕が固まって動かなくなったり、ヘッドのコントロールが効かなくなったりする”yips”と呼ばれている病態も、少なくとも一部には同じカテゴリーに入るものがある。

医学的にもイップスの一部はジストニアに含まれると説明しています。

ジストニアについて書いた記事があるのでジストニアについてはこちらの記事を読んでみてください。

 

Wikipediaにはイップスについて以下のように書かれています。

イップスは、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことである。

イップスになるメカニズム

イップスのメカニズム

イップスになるには、ある反復動作で熟練したレベルまで練習することが必要です。

その域に達していないのに上手くいかないのは、ただの練習不足、技術不足です。

イップスは、ある反復動作を作り出す脳の神経回路が強化された上で、大脳辺縁系などの情動に関連する神経回路がリンクして誤作動を生じさせる神経回路ができたからです。

 

 

情動というのは、喜怒哀楽のような感情に伴って、血圧、心拍数、ホルモン、表情の変化などの自律神経、内分泌系、運動機能に反応が起こること。(情動反応)

 

 

反復動作を作り出す脳に感情が影響して誤作動状態になってしまったのがイップスということです。

 

誤作動状態は、衝撃な出来事が原因でできた場合もありますし、そうでない場合もあります。

自分でスイッチを入れたわけではなく無意識のうちにスイッチが入ってしまったということです。

なので、自分を責めることはないです。

 

 

【ゴルフのイップス】

大事な場面でショートパットを外したことがきっかけでスイッチになることもあれば。

ショートパットの緊張を繰り返したことが原因でスイッチになったのかもしれません。

 

どちらにせよ、自分がスイッチを入れたわけではなく、無意識のうちにショートパットをするときの脳と感情の脳が誤作動でリンクしてしまい身体が固まるようにスイッチが入ってしまったのです。

 

それは「脳に記憶」され「また次に同じような場面で発症」という条件反射が形成されてしまいます。

 

イップスを長引かせてしまうことで、当初は単純だったスイッチも、より複雑になってしまいます。早期の対処が必要です。

 

条件反射とは

条件反射は、動物において、訓練や経験によって後天的に獲得される反射行動。

wikipedia

 

【有名な条件反射実験】

ソビエトの生理学者イワン・パブロフによる「パブロフの犬」実験です。

 

①パブロフは、まず犬にベル(チーン)を聞かせました。

②次に、犬にエサを与え、犬がヨダレを垂らすようにしました。

③「ベルのチーン→エサ→ヨダレ」この繰り返しをしました。

④すると、犬はベル(チーン)を聞くだけで、ヨダレを垂らすようになります。

ベルの音とエサとヨダレが条件付けされたことで、ベルの音を聞いただけでヨダレを出すという反射が形成されてしまったという実験です。

条件反射を切ることがイップス改善の鍵

条件付けされてしまった「イップス症状 + 場面 + 感情」を切るためには、

まずは、その条件付けをみつけることです。

①どんなイップス症状があるのか?

②どんな場面でイップス症状が出るのか?

③どんな感情が関係しているのか?

詳しくはイップス克服法で解説していきますのでお待ちください。

イップスに関係する無意識とは?

「無意識にやっちゃった」「今の無意識だった」など日常的に無意識という言葉を使いますよね。

その無意識について。

「無意識」の対比に「意識」が使われます。

しかし、どちらも同一人物である「私」のなかにあります。

 

人間は、5%しか意識できず、95%は無意識であるといわれています。

無意識に記憶された情報によって身体は動いています。

 

「歩行」

歩き出しは、あそこに行こうと目的地を意識するかもしれませんが、

「右足を前に出す」「左足を前に出す」「腕を振る」などの動作にいちいち意識的に命令を出しません。

これは無意識下にある歩行情報が作動してくれ遂行してくれるからです。

「自転車」

ペダルを踏む、ハンドルのバランスを取る、車体が倒れないようにバランスを取る。

これらにもいちいち意識して行いません。

普段私たちがやっている行動のほとんどが意識的な命令を受けていません。

 

イップスのスイッチ情報(本質原因)も無意識下に眠っています。

そのため、自分では何がスイッチなのか気がつけないため克服しにくいのです。

 

しかし、イップスに苦しむ人は、何が原因なのかいつも頭で探索しています。

 

【ゴルフのパッティングの例】

真っ直ぐに引けていないのが原因なのでは?

頭が残っていないのが原因なのでは?

頭を残しているのが原因なのでは?

肘の角度が原因なのでは?

その結果、練習やプレーで以下のようなことを意識してしまいます。

真っ直ぐ引かなければ・・・。

頭を残さなければ・・・。

頭は残さず自然にリラックスしなければ・・・。

肘は○○くらいでやらなければ・・・。

これらは全てイップスには意味がありません。

 

逆に意識的に身体を動かす癖がついてしまいパフォーマンスが下がってしまうかもしれません。

イップスになる根本原因には「無意識の情報」が大きく関わっています。

自分の無意識の中にできてしまったスイッチを知ることが、イップス克服につながります。

反復動作を作り出す脳とは?

反復動作を作り出す脳は、人間の運動機能に命令を出す脳(運動を司る脳)です。

 

運動を司る脳は、脳で処理された情報をもとに、身体中に張り巡らされた神経を使い、筋肉に命令を出しています。

そして、筋肉が縮まったり、伸びたりすることで運動が遂行されます。

 

さらにいうと、運動を司る脳からの命令というのは、

身体からの「今、こういう状態ですよ~」という感覚情報をもとに出されています。

 

脳と身体は神経を通して、目にも止まらぬ想像できない速さで、情報が行ったり来たりしています。

つまり身体からの感覚情報に誤作動があった場合も運動を司る脳は誤作動する可能性があるということです。

【パッティングイップス物語を例に解説】

ある日、お酒を呑み過ぎて歩いていると、段差を踏み外して右足首を捻挫してしまいました。

骨に異常はなく、痛みもそこまでひどくないので、ゴルフ練習は次の日からいつも通り行いました。

ある時、いつも痛くない左の腰が痛くなってきました。

その状態でパター練習をしているとなんだかいつもより入りが悪く、フォームを気にし出しました。

力み過ぎかな?

ラインが読めてないのかな?

真っ直ぐ引けているかな?

そんなこんなで試合の日を迎えました。

17番大事なバーディーパット。距離は1m

練習なら余裕のOKパット!

しかし、結果は1mオーバーのパー上がり。

あれれ。なんか変だぞ。

それでも試合は優勝!

試合後の練習では、1mパットを再三練習し、問題なし。

次の日からの練習も腰がやや痛いだけで、プレーは特に問題なし。

よし、次の試合も優勝するぞ!と意気込みも十分。

出だしから調子が良く、3番ショートコース。1mにベタピン。

これでバーディー頂きだぜ!と思った瞬間、

ビリビリビリと腕に電気が走り身体が硬直!

そのまま打ってしまったもんだから、カップから1m先に外してしまいました。

その後、その試合では特に問題なく、試合を終わることができました。

練習も特に問題なく、時々おかしいな程度でした。

しかし、次の試合でもその次の試合でも1mの大事なショートパットにボールがつくと腕に電気が走る経験をし始め、ついにショートパットイップスになってしまいました。

少し長文になってしまってすいません。

 

ゴルフのショートパットイップスの原因は、ショートパットを外したことのように思いがちですが、実は最初は、右足を捻挫した神経系の異常からの可能性もあるということです。

右足からの感覚異常が左腰への負担となり、パットへの感覚を鈍らせてしまいました。

そこに、ショートパットを外すという経験をして、さらに恐怖を記憶させていった可能性のあるストーリーでした。

 

 

さらに、深掘りすると、お酒を飲みにいったことが原因なのかも・・・。

 

原因というのは、深掘りすればするほど答えにたどり着けなくなります。

原因を探し続けたところでスイッチが切れなければイップスは改善されません。

スイッチを見つけて切っていくことがイップス改善の近道です。

横道に逸れましたが、イップスの原因になる一つの要因に身体からの感覚神経の入力異常があるということでした。

まとめ

イップスは、「運動を司る脳」と「感情を司る脳」、そして「身体からの感覚神経情報」が関係しています。

健全な状態でも関係し合っていますが、イップスの場合は誤作動状態で関係してしまっています。

「誤作動するスイッチが入るとイップスを発症します。」

これを「条件反射」と呼びます。

ある条件になると、勝手に(無意識に)スイッチが入り、勝手に(無意識に、反射的に)イップスを発症します。

人間の行動の95%が無意識に行われていて、意識的に行えるのは5%程度。

無意識の感情、無意識の感覚情報、無意識の記憶などがイップスに影響します。

イップスのキーワードは、

「運動を司る脳」「感情を司る脳」「身体からの感覚」「神経」「条件反射」「無意識」「スイッチ」です。

あなたのイップス克服を願っております。

参考文献

ジストニア診断マニュアル2018

ジストニアのすベて 著:梶龍兒

体の不調は脳が作り脳が治す 著:保井志之

心身条件反射療法研究会資料