栃木県佐野市カイロプラクティック治療院

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技術論に限界を感じたゴルファーへ|自分を整えることでスイングは変わる

技術を追い求めるほど、迷いが増える

ゴルフをする人の多くは、技術理論を大切にしています。

アドレスはこうあるべき、テークバックはこう引くべき、トップはここにあるべき、ダウンスイングはここから始動すべき、インパクトはこうあるべき、フォロースルーはこうあるべき、フィニッシュはこうなっているべき――。
考えることがあまりにも多すぎます。

私はこれまで、プロ・アマ問わず、多くのゴルファーの心と体を見てきました。
その中で痛感するのは、「技術理論」に捉われすぎて、イップスになっていたり、本来の能力を発揮できていない選手があまりにも多いということです。

ゴルフは、単なる技術の積み重ねではなく、自分という“システム”をどう整えるかが大切なスポーツです。
この記事では、上手くいかないと感じているプロ・競技志向のゴルファーへ向けて、「技術論の先にある真の上達」について、臨床家の立場からお伝えしたいと思います。

理論に支配されたゴルフの現実

「こうあるべき論」「技術論=正解」の背景には、メディアやレッスン文化の影響があります。

たとえばゴルフ雑誌を例に挙げてみましょう。
プロゴルファーが連続写真を撮られ、「意識していることは何ですか?」と質問されて記事になることもあれば、すでに第一線を退いたプロが「◯◯選手はこの時こうなっている。だからこのショットになるんです」と、あたかも本人が意図的にそうしているかのような説明をする記事が載っていることもあります。

こうした雑誌を読むのは、ゴルフが大好きなアマチュアゴルファーです。
そして、アマチュア同士での技術論の話も尽きることがありません。
練習場で「ああでもない、こうでもない」と議論しているおじさんたちを見かける機会も多いでしょう。

もちろん、大人になってから始めた初心者にとっては、技術論も必要です。
練習時間が限られているため、まず理論から入るのも悪くはありません。

中級者・上級者に必要なのは「感覚」

しかし、中級者・上級者になれば、雑誌通りの理論は必須ではなくなります。
むしろ、その理論にばかり捉われてしまうと、自分のスイング感覚が育たなくなってしまいます。

“基準”は誰のものか

あるプロが「自分の基準を作って、常にそこに戻れるようにしたい」と言っていました。
ただし、その基準がいつ、誰によって作られたのかが重要だと私は思います。

たとえば、17歳のジュニア時代にコーチによって作られた基準に、常に戻ろうとしていたらどうでしょうか。
19歳、20歳でプロテストに合格したいゴルファーが、なお17歳の基準に戻ろうとするなら、果たして合格できるでしょうか。

最も優れているべき時期は、まさにプロテストを受ける「今」でなければなりません。
簡単に受かるテストではないのです。

しかも、コーチという他人が作った基準でプレーしていると、自分の感覚とコーチ基準情報の間で脳と体が混線を起こし、イップスになる可能性すらあります。

基準を作るのであれば、自分自身が作った教科書を持ち、日々更新していく必要があります。

他者ではなく、自分との競争

「ライバルは昨日の自分である」とは、よく言ったものです。

ゴルフは、他者よりも一打でも少なくあがり、優勝を目指すスポーツです。
だから、他者が気になってしまうのも無理はありません。
しかし、他者を気にしても、自分が上達するわけでも勝利を掴むわけでもありません。

タイガー・ウッズを真似しても、タイガーにはなれない

タイガー・ウッズのスイングを形だけ真似しても、意味はありません。
タイガーのようになりたければ、タイガーに憧れ、タイガーを真似し、タイガーになりきり、タイガーの感覚と自分の感覚をイメージの中で重ね合わせていくしかありません。
それでも結局、タイガーはタイガー、あなたはあなた。
あなたはタイガーにはなれないということを知るべきです。

タイガーを真似して、自分を成長させる。これがポイントです。

理論は「結果」であって「原因」ではない

技術理論は重要です。
しかし、完璧ではありません。

技術理論とは、試験管の中でつくられた“美しい実験”のようなものです。
一見完璧に見えても、現場の複雑な条件の中では再現できないことが多い。
つまり、理論は「結果」であって「原因」ではありません。

「こういうスイングをすれば理論上まっすぐ飛ぶ」という理論があったとしましょう。
それは、スイングする人、スイングする場所、当日の気候など、前提条件をすべて省いた机上の話です。
一見すごそうに見えても、実際にはとても薄っぺらいのです。

原因を追うほど、真実から遠ざかる

右にプッシュアウトした。
理由を分析すれば、「インパクトでフェースが開いたから」という説明が出てくるでしょう。
しかし、それは誰でも言える“結果論”にすぎません。

「インパクトでフェースが開いてしまった原因は何ですか?」と問われたとします。
「それはアドレスの時点でこうなっていたからだね」と答えるかもしれません。
プロゴルファーでも「ああ、そこがまずかったのか」と納得してしまうこともあるでしょう。

では、「アドレスでそうなってしまった原因は何ですか?」と問われたらどうでしょう。
「いつもの感覚とずれていたんだろうね」と答えるかもしれません。
それは、答えになっているようで答えになっていません。
「それはそうだろう」としか言いようがありません。

「いつもの感覚とずれてしまった原因」があるはずです。

原因を追えば答えが見つかると思いがちですが、本当の答えには1人では辿り着けません。
なぜなら、人は常に“関係性”の中で動いているからです。

環境と内側の“関係性”に気づく

プロゴルファーに限らず、私たち人間は、環境や人間関係など、さまざまな要素の影響を受けながら生きています。

「その日、雨だったから感覚がずれたのかもしれない」と思う人もいるでしょう。
でも、同じ雨の日でも感覚がずれずに良いプレーをする人もいます。
「今回はシューズを変えたからかもしれない」と考える人もいますが、新しいシューズで良いプレーをする人もいます。

原因とは、特定の一つではありません。
自分の内側と外部環境の関係性が、うまくマッチしなかったことが原因です。

内側を整えるとは何か

自分の内側とは、心と体の機能のことです。
人間は神経の信号でさまざまな機能が働いています。信号が乱れれば、機能も乱れます。乱れた状態では多様な環境に適応できず、スイングも乱れます。

整える努力の先にあるもの

自分の内側を完璧に整えることも不可能ですし、外部環境を一定に保つこともできません。
しかし、どんな環境にも適応できる自分をどれだけ作れたかで、勝てるかどうかが分かれるのかもしれません。
あとは、神のみぞ知る「運」に委ねるしかないのかもしれません。

「運なんて」と言う人もいますが、そういう人はおそらく準備をしていない人です。
準備をし尽くした人は、もう何をすればいいのか考えが及ばなくなる。
だからこそ、「神に、仏に」と願うのです。

一般論を超えて、自分の教科書をつくる

私たちは、誰にも説明できない運命の中で、今ここを生きています。
だからこそ、自分の内側を理解し、心と体の信号を整え、日々の練習や経験を通して「自分という教科書」を書き換えていくことが大切です。

技術論に答えを求めるのではなく、自分の中に答えを見つけていく。
その積み重ねが、プレッシャーにも環境にも左右されない“本当の強さ”を育てます。

うまくいかないときこそ、チャンスです。
そこには、あなたの内側に眠っている“新しい教科書”が待っています。

理論を超えて、“整う”感覚へ

技術を磨くことは大切です。
けれど、結果を変えたいなら、まず「自分の内側」を整えることが欠かせません。
スイングやフォームの前に、心と体の信号を整えましょう。
それが、安定した感覚と再現性のあるプレーへとつながります。

スポーツ整体:体の機能と感覚を整える
ゴルフ整体:スイングと神経バランスの最適化
イップス:心と体の関係から理解する

練習場やトレーニングでは見えない「自分の誤作動」を整える。
そこから、本当の上達が始まります。

篠崎大輔

【心と体のスペシャリスト】 日本唯一のWHO基準カイロプラクティック大学卒業後、心と体の関係性に注目した治療で病院で治らない、薬・手術は避けたい方を改善へとサポート。 治ることを諦めず機能的な体作りで解決へ向かいたい方はご相談ください。

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