
このページでは、当院で行っているPCRT(心身条件反射療法)について、
「どのような考え方で行っている施術なのか」をお伝えします。
PCRTは、一般的にイメージされる「原因を特定して取り除く」「歪みを直す」といった説明だけでは、誤解なく伝えにくい施術です。
そのためこのページでは、来院後の方に向けて、前提も含めて丁寧に説明します。
ただ、一度に全部読むのは大変かもしれません。
そこで冒頭に、内容の要点をまとめた要約を置きました。必要なところから読んでください。
このページは、次のような方に向けて詳しく書かれています。
- すでに当院に来院されている方
- 体の調整だけでは変化が出にくかった方
- もう一段深い部分に原因がありそうだと感じている方
- ご自身の状態と向き合う準備がある方
PCRTの要約(まず知っておいてほしいこと)
- PCRTは、症状を力づくで変えようとする施術ではありません。
- あなたの心と体の反応を確認し、誤作動信号を特定、健全な信号に整え、治る力・適応力を高めて、症状改善を目指します。
-
このページで使う「神経の信号」「誤作動」「再学習」という表現は、医学的診断名の断定ではなく、
当院の治療哲学として使っています。 -
当院で行うのは「刺激(入力)」です。
体に対しては物理刺激、心に対しては理解・気づきによる認知刺激を用い、反応を確認しながら進めます。 - 効果を保証するものではありません
- すべての方に必要な施術でもありません
- ただ、「原因がはっきりしない」「同じ症状を繰り返す」などの方にとっては、明るい未来へのひとつの起点になる可能性があります。
PCRTとはどんな施術か
PCRTは、体の誤作動信号だけでなく、無意識の心が覚えている経験や感情が関係して起きている不調にもアプローチする施術です。
PCRTは、体の誤作動信号だけでなく、無意識の心が覚えている経験や感情が関係して起きている不調にもアプローチする施術です。
たとえば、病院検査で異常が見つからないのに症状が続いたり、特定の場面でだけ強く出たり、同じパターンで繰り返すケースがあります。
そのような時、当院では「体だけの問題」と決めつけず、心の関与が背景にある可能性を考えています。
ここで言う「心」は、気持ちの善し悪しや性格の評価ではありません。
過去の経験や情報そのものの記憶、それらから学習された感情や自己ルールなどを、便宜上「心」と呼んでいます。
このページで使う言葉の注意点(誤解を避けるために)
このページでは「神経の信号」「誤作動」「再学習」などの表現が出てきますが、
これは医学的診断を断定するためではなく、当院の治療哲学です。
つまり、当院の説明は「科学的に証明された説明」という意味ではありません。
一方で「何でも心のせい」という精神論でもありません。
刺激に対する反応を観察し、調整し、変化を確認するという臨床サポートをしています。
心と体の反応がつながる例
例えば、こんな流れで体の反応につながることがあります。
失敗経験の記憶
→ その経験から失敗しないようにする警戒心(また同じ思いをしたくない)
→ 警戒心によって、物事を避けようとする逃避感情(無意識に距離を取る反応)
→ 逃避してきた経験の積み重ねによる「自分はできない」という劣等感(自己評価が下がる)
→ 自分はできない人だと思い込むことで生まれる緊張・力み(体が常に構える)
→ 緊張や力みが続くことで自律神経が乱れる(緊張が抜けない状態が続く)
→ 自律神経の乱れによる不眠 → 不眠からくる頭痛・めまい(眠れない状態が続くことで不調が現れる)
もう1つ例えてみましょう。
成功経験の記憶
→ その経験から「自分はできる」という心に秘めた自信(自尊心)ができる
→ その自尊心を失いたく無い思いから「失敗したらどうしよう」という恐怖心
→ 恐怖心から生まれる完璧主義(常に完璧を求める)
→ 完璧主義によって強まる競争心(他者と比べ、負けられない状態)
→ 競争心から生まれる成長欲求(もっと上を目指さなければならない)
→ 成長欲求による情報過多(正解を探し続ける)
→ 情報が多すぎて「何をすれば良いのかわからない」が情報に執着(答えを求め続ける)
→ その執着による体の異常緊張 → 異常緊張が続くことで起こるイップス・ジストニア
ここで伝えたいのは「心が悪い」という話ではなく、
心の信号が誤作動すると、体にも影響が出ることがあるという考えです。
なぜPCRTが必要になることがあるのか
体の調整で反応が整っても、次のようなケースが残ることがあります。
- 同じ症状を繰り返す
- 特定の場面でだけ不調が出る
- 病院検査では問題が見つからない
その場合、当院では「体に問題がない」と断定するのでもなく、
「心のせい」と決めつけるのでもなく、
無意識に学習された誤作動パターンが関与している可能性を考慮します。
どんな人がPCRTを選択していますか?
PCRTは、すべての方に必要な施術ではありません。
実際には、次のような方が、ご自身の状態や目的に応じて選択されています。
- 長く続く慢性的な痛みや不調がある方
- 原因がはっきりしない症状を繰り返している方
- イップス・ジストニアなど、動きや反応に影響が出ている方
- 自律神経の乱れによる不調を感じている方
- 不安感・緊張・落ち込みなどが体の不調に影響していると感じる方
- スポーツや仕事でのパフォーマンスを高めたい方
- 体だけでなく、心も含めて健やかに過ごしたいと考えている方
理解しにくい施術であることも事実です
PCRTは、性質上、分かりやすい一言で説明しにくい施術です。
また、効果を保証するものでもありません。
そのため当院では、無理にすすめることはしません。
納得できる方にだけ、必要なタイミングで選んでいただく方針です。
PCRTの検査と施術の考え方について
PCRTは、体の反応を指標にして進めます。
反応を引き出すために、次のような刺激を用います。
- 体を押したり引いたりする刺激
- 文字情報の書かれたチャートを見る
- 施術者からの質問
- あなた自身の言葉
- イメージや記憶
PCRTでは、刺激に対して無意識がどのような反応を示すかを指標に検査を行います。
体の反応検査

PCRTマッスルテスト

PCRTマッスルテスト
【①マッスルテスト】
施術者が「止めて」と指示を出し、足に力が入るか、入らないかの反応を検査します。
注意点
力比べにならない程度の抵抗で十分です。脱力していても検査は可能です。

PCRTレッグテスト

PCRTレッグテスト
【②レッグテスト】
施術者が足を押し、足が揃うかズレるかの反応を検査します。
注意点
足を意識的に動かす必要はありません。
文字チャート検査

PCRTチャート検査

PCRTチャート検査
文字の書かれたチャートを見ながら、反応検査を行います。
注意点
この段階では何かを考える必要はありません。
質問検査

質問刺激の例

質問刺激の例
文字チャート検査で特定されたキーワードに関する質問をして、無意識の心を特定していく検査です。
注意点
正しい答えを探す必要はありません。開示したくない内容は無理に話さなくても検査可能です。
イメージ検査

PCRTイメージ検査

PCRTイメージ検査
来院時に再現できない症状も、イメージすることで脳を活性化させ、反応検査が可能です。
注意点
明確にイメージする必要はなく、「ぼんやり」「なんとなく」で大丈夫です。
より深く検査する方法
無意識の心の構造をより深く特定するために、「さらに」と体に聞いていく検査を行います。
参考例
「腰が痛くなるのが怖い」で陽性の場合
「さらに」で検査を進める
「腰が痛くなるのが怖い」
→(さらに)仕事でみんなに迷惑をかけてしまうことが怖い」
→(さらに)「信頼を失うことが怖い」
…というように、
「腰痛が怖い」背後にある「本当の恐怖」が見えてくることがあります。
納得感が強いほど変化が出やすい傾向はありますが、
無理に納得しようとする必要はありません。「そうなんだな」くらいで十分な場合もあります。
PCRTの調整(刺激)は、何をしているのか
PCRTでは、「認識する・認知する」こと自体を刺激として用います。
当院ではこれを「認知刺激」「認知調整法」と呼んでいます。
ここで言う刺激とは、施術者が「正解」を与えることではありません。
自分の無意識の心を観察し、理解や気づきを促す刺激を入力し、反応が変化するかを確認します。
基本の流れは次の繰り返しです。
検査刺激 → 反応検査 → 認知刺激(調整刺激) → 変化の確認
当院が目指すのは、施術者が「治す」ことではなく、
誤作動パターンから健全な信号パターンに切り替え、治る力や適応する力が健全に働くようにすることです。
なぜ「認識」で反応が変わるのか(例)
たとえば、お化け屋敷を想像してみてください。
最初は「何が起こるかわからない」ので不安が強く出ます。
しかし繰り返し入ると「何が起こる場所か」が分かってきて、不安のスイッチが入りにくくなります。
これは「何かを頑張った」わけではなく、情報を認識し、整理され、「わかった」状態になった結果として反応が変わったと捉えられます。
PCRTでは、症状に関係している可能性のある無意識の心を、検査で少しずつ言語化し、
繰り返し認識することで、誤作動反応が少しずつ整ってくると考えています。
PCRTについてのまとめ
PCRTは、症状を力づくで変える施術ではありません。
体と心に起きている反応を観察し、必要な刺激を入力し、変化を確認しながら進めます。
すべての方に必要な施術ではなく、効果を保証することもできません。
ただ、同じ症状を繰り返す・特定場面でだけ出る・原因がはっきりしない、という方にとって、
これまでの自分に向き合い、心も疲れていたんだ、誤作動していたんだとわかることは、明るい未来へのひとつの起点になる可能性があります。
分からないこと、不安なことがあれば、施術前でも施術後でも遠慮なくご相談ください。















