
- 思い通りに身体が動かなくなってしまった。
- 身体が言うことを聞いてくれない。
- 試合の時だけ突然身体が固まってしまう。
- また動きがおかしくなるのではないかと不安。
このようなイップス症状にお悩みで克服したいあなたへ。
イップス症状は、本人にしかわからず、周囲からの共感、サポートが受けにくいため、さらに悩んでしまいとてもつらい状態だと思います。
この記事では、イップスのメカニズム、当院のイップス治療について、治療中に試合がある人の対処方法についてまとめました。
イップスは克服できる症状ということがご理解頂ければ幸いです。
もし当院でのサポートをご希望される方は、お気軽にご連絡下さい。
Contents
イップス症状を克服したいあなたへ
イップス
精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことである。ウィキペディア
精神的な原因は、人それぞれ違います。
そのため、精神的な原因を自分自身で克服するのは難しいです。
専門家のサポートを受けることをオススメします。
「精神」の専門家というと「精神科医」と考えてしまいます。
イップスは精神の病気ではありませんので医師の治療、つまり薬に頼る必要はありません。
イップス克服の鍵は、無意識の自分に向き合うことです。
イップス症状について
イップスは、様々なスポーツで起こります。
スポーツ以外にも音楽関係、アナウンサー、教師、執筆家などにも起こります。
スポーツイップス
ゴルフ
- ドライバーイップス
- ショットイップス
- アプローチイップス
- パターイップス
- 身体が固まってしまいテイクバックが上げられない
- トップまで上げると身体が固まりクラブが下ろせない
- ボールを打った感覚が全くわからない
野球
- 投球イップス
- 送球イップス
- 試合になると身体が固まってしまい投げられないピッチャー
- ピッチャーゴロだけファーストに投げられないピッチャー
- 塁間距離で身体が固まる
- 近い距離は大丈夫だが長い距離になると投げられなくなる
- ボールの引っ掛かりがわからない
- 練習は大丈夫だが試合になると固まる
ダーツ
- 肘が固まる
- 手が出ない
- 指が固まり離せない
- 無理やり投げるから床に叩きつけてしまう
- 毎回固まるわけではないが頻繁に固まる
テニス
- フォアハンドイップス
- バックハンドイップス
- ステップイップス
- フォアハンドだけ肘が伸びてしまう
- 肘が固まってしまう
- ステップが合わない
陸上
- 足が合わなくなる
- 足が伸びきって走れない
- 短距離、長距離ともに
バレーボール
- ジャンプすると身体が固まってしまう
- アタックで肘が伸びない
バドミントン
水泳
バスケットボール
卓球
ボーリング
自転車etc
スポーツ以外のイップス
音楽関係
ピアノイップス
- 連弾ができない
- 指が動かなくなる
- 力が入らなくなる
バイオリンイップス
- 弓が弾けない
- 指が動かない
ギターイップス
- 弾けない
- 弦が押さえられない
- 早弾きできない
ドラムイップス
- 肘が伸びない
- バスが踏めない
歌手、アナウンサー、教師
- 声が出ない(発声障害)
執筆家、画家
- 筆圧がコントロールできない
- 文字、絵が描けない(書痙)
イップスになるメカニズムについて
イップスにどうしてなるのでしょうか?
- 熟練者、上級者
- 脳の処理
- 神経回路
- 運動障害
- 情動
- 条件付け
- 意識と無意識
イップスという言葉が漫画、メディアの影響で一般的にも知られるようになってきました。
そのため、間違った使い方、冗談で使う人が増えました。
上手くいかないことをイップスなんじゃない?と冗談で言う。
下手を隠すためにイップスかもしれないと言う。
これらはどちらもイップスではありません。
イップスは技術不足ではありません。
イップスのメカニズム
②脳で処理をおこなう。
③その結果、脳から身体へ指令が出力される。
④出力の結果が身体から脳へフィードバックされる。
この回路には、筋骨格系、自律神経系、内分泌系、循環系など様々な系が関係しています。
これらは「我々の想像もつかぬ速さ」でやり取りが行われています。
入力された情報は、「感覚を司る脳」と「情動を司る脳」に届きます。
そして、脳の処理が行われます。
出力される情報は、自律神経系、内分泌系、筋骨格系へと届きます。
ゴルフのパターで解説
入力情報
- アドレスした時の身体感覚
- 平衡感覚
- 筋肉、関節の状態感覚
- グリップの感覚
- 目からの視覚
- ボールの位置
- カップの位置
- ライ
- 景色
- 人
- 耳からの聴覚
- 風の音
- 木の揺れる音
- 観客の声
- 同伴者の声
- キャディの声
- 隣のホールの声
- インパクトの音
- カップインの音
- ボールが転がる音
- 服の擦れる音
- 味覚
- 舐めていた飴の味
- 直前に食べたバナナの味
- 直前に飲んだドリンクの味
- 嗅覚
- 雨の匂い
- 木の匂い
- 人の匂い
- 自分の匂い
- グローブの匂い
脳の処理
- 無意識の感情に対する処理
- 入るかな
- 入らなかったらどうしよう
- 負けられない
- 優勝したい
- 過去の記憶との処理
- 前にも同じ距離で外した
- ショートパットしがちなんだよな
- 未来を予想する処理
- これを入れたら順位が・・・
- 外したら優勝を逃しそう
- 外すかもしれない
- 人間の身体を一定に保つための処理
- 生存を継続するための処理
- カップインさせるための処理
- 動作の処理 etc
出力情報
- 筋肉を働かせるための出力
- 生存するための出力
- 感情処理に対する出力
- 内分泌系への出力
- 自律神経系への出力 etc
「パターを打つ」行為だけを取っても刻一刻と変わる情報処理が瞬時に行なわれています。
熟練者、上級者がイップスになる理由
熟練者、上級者は、パターでボールをカップに入れる感覚が既に脳に記憶されています。
今の状況に対して、どのように身体を動かせば最高のゴールが達成できるかを身体が記憶しています。
しかし、
脳の処理を誤作動させる入力、情動、記憶の情報があると、
脳から身体への出力が誤作動してしまい,
イップスという運動障害が起こります。
イップスが起こるとそれを脳は記憶してしまいます。
脳の処理を誤作動させる情報(脳の誤作動記憶)とは
- 短い距離のパット(視覚情報)
- 外すかもしれないという恐怖(感情)
- 過去の外した経験(記憶)
- パターを打つという熟練された運動俺がこんな距離のパット外すわけがない(自尊心)
- 外したら優勝できないのではないか(警戒心)
短い距離のパットに様々な無意識の心が条件付けされ、パターを打つという運動処理を誤作動させます。
結果、誤作動した脳からは誤作動した情報が出力をされるため、
身体が誤作動しパターが打てなくなります。
その時に電気がビリビリビリっと走った感覚や身体が固まってしまう感覚を経験すると、それも脳は記憶してしまいます。
「短い距離のパット+恐怖+過去の経験=イップス」
これを脳が記憶してイップスが起こります。
当院では、これを「脳の誤作動記憶」と呼んでいます。
(心と身体の誤作動記憶とも呼んでいます。)
これは意識的に記憶されるものではなく、無意識に記憶されます。
イップス克服方法
無意識に記憶された脳の誤作動記憶で起こる運動障害をどのように克服していけば良いのでしょうか?
それは、無意識に記憶された脳の誤作動記憶を認識することです。
ある条件下で、誤作動のスイッチがONになるとイップスを発症します。
そのスイッチが何かを認識することで、ONからOFFに切り替わります。
これは、神経の可塑性によって説明されます。
神経系は外界の刺激などによって常に機能的、構造的な変化を起こしており、この性質を一般に“可塑性“と呼んでいる。神経の可塑性は大きく3つに分けられる。1つ目は脳が発生していく時や発達していく段階にみられる可塑性。2つ目は老化や障害を受けた時などに神経の機能単位が消失するが、それが補填・回復されていく場合。3つ目は記憶や学習などの高次の神経機能が営まれるための基盤となっているシナプスの可塑性(synaptic plasticity)である。特に神経科学にとっては3つ目が重要で、その機構についても徐々に明らかにされている。記憶には、短期記憶と長期記憶があるが、短期記憶は主にシナプスでの伝達効率の変化により、長期記憶はシナプス結合の数や形態の変化により達せられると考えられる。
(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年):コトバンクより
当院では、この誤作動記憶のスイッチをあなたの身体を使って検査します。
あなたに動いてもらい神経の反応を検査、または施術者があなたの身体に刺激を入れて神経の反応を検査していきます。
誤作動している神経にアクティベータ器を用いて振動刺激を加え、神経を健全にしていきます。
あなたの身体の部分ではなく、全体を検査し調整していきます。
世界のトップアスリート、ウサインボルト選手も受けています。

パターイップスを例にします。
視覚で反応した場合
- 短い距離に反応するのか
- ギャラリーからの視線に反応するのか
- 同伴者の視線に反応するのか
などを検査していきます。
「短い距離」に陽性反応を示した場合、さらに深掘りするか検査します。
さらに深掘りする反応を示した場合、「短い距離(視覚情報)」に組み合わさる誤作動記憶を検査していきます。
五感、感情、価値観、信念、記憶と検査していきます。
感情の恐怖で反応した場合
「短い距離」で「恐怖」は何があるか心当たりを無意識からあなたが探索します。
- 恐れていること
- 心配していること
- 不安なこと
「また外すのではという恐怖心」
が無意識にあると思えば、それをイメージしてもらい反応を検査します。
陽性反応を示す場合もあれば、陰性反応の場合もあります。
陽性反応であれば、さらに深掘りするか検査します。
陰性反応の場合は、他の恐怖を探索してもらい、再検査します。
これは下記理由による場合があります。
- 検査エラー
- 施術を理解していない
- 信頼関係ができていない
- 無意識の感情を抑圧している
- 本音では治っては困る
検査エラーの場合
- 再度検査を行いお互いに反応しているかどうか再確認します。
施術を理解していない場合
- こちらから再度施術の説明を行います。またはHP等で施術への理解を頂いてから再来院して頂きます。
信頼関係ができていない場合
- 信頼関係の調整を行ってから再検査していきます。
無意識の感情を抑圧している場合
- 無意識では反応するのに、意識的に探索しようとするとできないわけなので、その原因を検査し、抑圧する治療から行なっていきます。無意識の感情は、本人が探索しようとしないと見えてきません。
本音では治っては困る場合
- 建前ではイップスが治りたいと言っているが本音では治ると困るあなたがいるのです。治っては困る原因を検査し、調整していきます。
これらの探索できない人は、意識と無意識の間に厚い壁があるので、建前と本音にギャップがあります。
これは誤作動記憶を起こしやすいタイプとも言えます。
当院の治療は、信頼関係、主体性、ゴール設定が重要になります。
当院の施術は、受け身になって寝ていれば気持ちが良かったという施術ではありませんので、受ける前にご理解ください。
横道にそれましたが、
「短い距離+恐怖」で陽性反応を示した場合、さらに深掘りが必要か検査をしていきます。
無い場合は、「短い距離」と言う条件に「恐怖」感情が関係していることが誤作動記憶スイッチとわかりました。
これにより脳が誤作動し、イップス症状につながっていると認識してもらい、振動刺激を加え、脳の誤作動を健全な状態に書き換えていきます。
誤作動記憶スイッチは、深くまで探索していく場合と横に幅広く探索していく場合があります。
これらは、あなたの無意識の身体の反応で決定してきます。
約4~6回の治療を2週間受けてもらい、その間、またはその後にイップスが出た条件を経験してもらいます。
試合でイップスを発症する人は、試合を経験しなければイップスがどうなったかの把握ができません。
もし試合がなければ、練習ではどうだったかを経験してもらいながら、施術を継続してもらいます。
なかなか誤作動記憶スイッチがOFFになり切らない人は、施術の期間、回数が延長されていきます。
最高のゴールは、あなたが最初に立てたゴールに辿り着くことです。
イップスを克服する事かもしれませんし、克服して試合で結果を残す事かもしれません。
私はあなたがどうなりたいか、あなたのゴールだけを考えて施術を提供していきます。
時間、お金をどのくらい投資するか、治療を受ける受けないの判断は全てあなたがして下さい。
こちらは提案はしますが、強制することはありません。
理由
- イップス治療は、主体性が重要だからです。
- イップスは、施術を受けなくても自然に治ってしまう人もいるからです。
- 以下の方法で、気にせずプレーできる人はそれでも良いのかもしれないからです。
イップス治療中の対処方法
治療途中でまだ症状を克服したと自信が持てていないけれど試合がある場合に覚えておきたい対処法があります。
以下のことを試してイップスを気にせずプレーができるならそれもありなのかもしれません。
イップスには「感覚トリック」を使って対応しよう!
イップスは、ある条件付けが原因となり脳が誤作動した結果起こる症状と説明してきました。
脳が誤作動するのは、誤作動を作り出す刺激が入力されることが根本原因です。
そのため、脳に入力する刺激を変えてあげれば、その場はイップスが起こらなくなります。
これを「感覚トリック」と言います。
ショートパットイップスの場合
- グリップの握り方を変えてみる
- パターを変えてみる
- ルーティーンを変えてみる
- 深呼吸をして身体にトントンと刺激を加えてみる
- グローブをしてみる
- 前傾角度を変えてみる
- 左右の体重分配を変えてみる
- ロージンをつける、またはつけない
- 深呼吸をして身体にトントンと刺激を加えてみる
- グローブを見つめる
- 帽子を深くかぶる
- ジャンプしてみる
ダーツイップス
- 重心を変えてみる
- 足にトントンと刺激を入れてみる
- ジャンプをする
感覚トリックに正解はありません。
毎回違う刺激を入れた方が良い場合もあります。
試行錯誤しながらやってみてください。
イップスが改善した人からの口コミ
まとめ
この記事では、イップスについて詳細に説明してきました。
①入力される情報
②脳の処理
③出力される情報
- 入力される情報を脳がどのように処理をするかで出力は変わります。
- 出力に異常があれば身体は異常な反応を示します。
- 脳の処理が異常であれば出力は異常になります。
- 入力は正常だけど脳の処理が異常であれば出力は異常になります。
- 入力された情報が異常であれば脳の処理は異常になります。
これらをあなたの身体を検査道具として使用し反応を検査していくのが当院の施術の特徴です。
答えはあなたの身体が教えてくれます!
イップスは、原因不明と言われていますが、
脳神経系の働き、心と身体の関係性を理解し、無意識の自分と向き合っていく事で改善する症状だと当院では考えています。
あなたの悩めるイップスが早期に改善し、また思い通りにスポーツができることを願っております。
サポートを希望される方はご連絡ください。
【参考文献】
体の不調は脳がつくり、脳が治す―治る人と治らない人の違いは、脳と体の「学習記憶」にある
心身条件反射療法研究会資料