
イップスに悩み続けてもう何年も立っている。
イップスを克服したいと色々な方法を試してきた。
イップス改善のために色々なアドバイスを周りからもらってきた。
でも、治らない!!!
こんな悩みを抱えた野球選手へ
この記事では、イップスを治すためにやっていたことが実は大きな間違えだった。
さらに、それが原因で実は治らなかったんだということがわかります。
記事の前半では「野球イップスを治すためにやっていた大きな間違え」について解説しつつ、
記事の後半では「野球イップスを治すためのヒント」について解説していきます。
あなたがこの記事を読めば最終的に、
「野球イップスが治らない原因」を理解できるとともに、
「今後の野球イップス克服の方法」がわかります。
そして野球イップス克服につながっていきます。
わからないことはTwitter、YouTube、メールなどからご質問下さい。
Contents
野球イップスが治らない原因について解説
野球イップスを治したいと一生懸命になっている野球選手ほどイップスが治らない原因を解説していきます。
イップスが治らないのは「そもそもの原因を間違っている」からです。
野球イップス
ピッチャーの投球イップス
野手の送球イップス
キャッチャーの返球イップス
キャッチボールイップス
野球イップスが治らない人は、
これらの原因を「技術の問題」と間違った認識をしています。
技術の問題でイップスになった
↓
練習して治そう
この思考でいる限り治りません。
野球イップスの原因が「技術の問題」ではない理由
これは単純な理由からわかります。
あなたのイップスは「毎回」起こりますか?
毎回とは投げる度に起こりますか?という意味です。
練習中にも起こる。
短い距離でも起こる。
長い距離でも起こる。
塁間関係なく起こる。
マウンドに立たなくても起こる。
どの塁への返球でも起こる。
一人の時でも起こる。
軽く投げる時でも起こる。
壁当ての時でも起こる。
ネットに投げても起こる。
このような色々な場面全てで毎回起こるのであれば「技術の問題」かもしれません。
「なる時もあるけど、ならない時もある」
これは「技術の問題」ではないと思いませんか?
技術が問題であれば毎回なるはずです。
「イップスにならない時」は「技術が身についた時」なのですか?
仮に技術が身についてイップスが出なくなったというなら、次は当分イップスは起こらないですよね?
それがまたすぐに起こってしまうなら、それは「技術の問題」ではないと思いませんか?
あなたが身につけた技術は、そんなに簡単に綻んでしまうのですか?
投げるためにそんなに技術が必要ですか?
私の娘は1歳の頃から何も教えずにボールを投げていました。
- イップスは投げられないことに悩んでいます。
- 身体が固まってしまうことに悩んでいます。
- 感覚がわからなくなってしまうことに悩んでいます。
- 上手に投げられない。
- 言われた通りに投げられない。
- ストライクが入らない。
- 思ったところに投げられない。
これらはイップスではないです!
結果が上手くいかないのはイップスではないです。
技術不足です。
その時は一生懸命、人の何倍も練習しましょう。
イップスは違います。
技術に関係なく、無意識に身体に異常を来たし投げられなくなってしまうことです。
野球イップスを治すためにやっている大きな間違え
「イップス=技術の問題」と間違った認識をしていると間違った克服方法をやりがちです。
それについて解説していきます。
悪い所を克服しようと一生懸命になっている。
イップスの原因が技術にあると思っている人は、自分のフォームや投げ方を細かくチェックし、悪いと思ったところ、悪いと指摘されたところを一生懸命治そうと頑張ります。
全く意味がありません。
全くとは言い過ぎかもしれませんが「見当違い」です。
ビデオでフォームを撮影し、理想のフォームと比較し「腕の振りが小さくなっている、だから大きく振るようにします」。
「大きく振ることを意識したら何か投げやすい感触が得られました」
これは「感覚トリック」です。
人間はいつもと違う感覚を脳に入力すると運動障害が一瞬おさまる機能を持っています。
これを繰り返すことでイップスが治るケースもあるので一概に技術練習が間違えという私も間違えです。
これを理解してやっているなら見当違いではありませんが、
「悪い所を直せば、イップスが治る」と思っているのは見当違いです。
撮影してフォームチェックをするのは技術向上のためにはGood!
イップス改善にはBad!
イップス経験者の話を信じている
イップスに悩んでいる人が頼るのがイップスの先輩です。
イップス経験者にアドバイスをもらったり、インターネット情報を信じたりしています。
経験者の例は1例にしか過ぎず、本人に偶然あったものでしかありません。
ネットスローが合う人
壁当てが合う人
1000球毎日投げたら治った人
3ヶ月投げるのやめたら治った人
スナップスローで治った人
色々ある経験談を一つずつ試していたら野球人生が終わります。
それでも技術面でイップス改善を目指したい人は、
自分でやると決めたことを「信じる」「やり続ける」ことです。
ネットスローを信じたなら投げられる感覚が得られるまでやり続けることです。
3日も持たず次の情報
スナップスローが良いんだ!やってみよう!
これでは何も得られません。
でもほとんどの人があっちもこっちも情報を得て実践しては辞めを繰り返しています。
イップス克服には条件反射の切り替えが大切です。
「投げられない」から「投げられる」に脳のスイッチを切り替える。
これは意識ではできないです。
ですからひたすら「ネットスロー」だけをやり続け「切り替わるタイミング」を待ちましょう!
時間はかかるかもしれません。
それよりももっと根本的なことに焦点を当てていきたい方は読み進めてみて下さい。
野球イップスを克服するためにやるべきこと
①イップスを知る
②原因を知る
③自分の無意識、本音に目を向ける
イップスを知る
イップスは簡単に言うと「運動障害」です。
人間の身体は90%以上が無意識に動いています。
無意識の運動プログラムが誤作動しているためにイップスは起こります。
無意識の運動プログラムを技術的に改善させようとするには、
無意識レベルで「投げられる」ことが、得られるまでやらなければならないです。
本質は、無意識の誤作動なので、無意識をなんとかしなければなりません。
イップスの原因を知る
イップスの原因は、無意識の運動プログラムに誤作動を生じさせているものが「原因」です。
無意識の運動プログラム
- 脳への入力
- 脳内処理
- 脳から身体への出力
- その結果の脳への入力
この一連の処理が行われ「投げる行為」は意図も簡単にできているわけです。
脳への入力は五感を通して無意識に行うため選択することができません。
そして入力に対しても無意識の脳が勝手に判断し処理を行います。
そこで誤作動が起これば出力は誤作動し、身体が動かないという結果になります。
これがイップスのメカニズムです。
ある条件が脳へ入力されるとある誤作動処理をしてしまう。
その処理には「過去の経験」「未来予測」、無意識にある「感情」「価値観」「信念」などの「心」が関係します。
無意識の心がイップスの根本原因ということです。
自分の無意識、本音に目を向ける
無意識の心とは別の言い方をすると「本音」とも言えます。
この無意識や本音に目を向けることでイップスの原因がわかります。
自分自身でやる場合は、自分の直感を信じて行いましょう。
私にサポートを依頼してくださればあなたの身体に訊いていけます。
自分の「べき思考」に目を向ける
「こうあるべき」
「こうすべき」
「こうしなければいけない」
このような考えを「べき思考」と呼びます。
マウンドからの投球イップスに悩んでいる場合
マウンドから投げる自分をイメージします。
どんな「べき思考」の自分がいますか?
例をあげ過ぎるとその情報に引っ張られてしまうので少しだけあげます。
もしわからない場合はツイッターかYoutubeをご覧下さい。
「ストライクを投げなければならない」
「腕は大きく振って投げるべき」 etc
イップスになる人は技術が高く、真面目で、信念が強いです。
そのため自分のべき思考から外れることを脳がストレスに感じます。
理想と現実の不一致が脳の中(無意識に)で起こっています。
無意識に眠る自分の「べき思考」に向き合ってあげることで、その不一致を客観視することができます。
客観視することで脳はストレスと感じなくなります。
例:間違え探しの写真
どこが間違っているかわからないときは脳がモヤモヤしてくる。
イライラしたり、体に力が入ったりする。
一度わかると、なんでこんな簡単なのがわからないの?
さっきの自分と全く違う自分になっています。
このような感じになります。
無意識の「べき思考」によって身体が緊張してしまっていたのかとわかるだけで効果が期待できるのです。
認知のゆがみに目を向ける
認知のゆがみは、ある情報に対する捉え方がゆがんでいるということです。
認知のゆがみ
①全か無かの法則思考
②行き過ぎた一般化
③心のフィルター
④マイナス思考
⑤結論の飛躍
⑥拡大解釈、過少解釈
⑦感情の理由づけ
⑧べき思考
⑨レッテル貼り
⑩誤った自己責任化(個人化)
①全か無かの法則
物事を白か黒かで判断し、グレーがない。
少しでもミスすると完全な失敗だと考える。
常に、全て、決してなどの言葉を使う。
「いっつもこうなるよ~」
「絶対駄目だからね!」
口癖的になっている人多いのでは?
いつもではないでしょ、今回だけでしょ。
絶対なんて誰が決めたの?あなたでしょ!
こういった人は自己ルールが厳しくなりがちです。
②行き過ぎた一般化
一つの事例を元に、幅広く一般化してしまう。
たった一回の問題発生だけで、その問題が何度も繰り返すと結論づけてしまう。
「今回駄目だったら、きっと次回も駄目に決まっている」
③心のフィルター
全体に目が向けられず、悪い部分にだけ注目し、良い部分は除外されてしまう。
「10球中2球、身体に違和感があった。やっぱりまだイップスだ!」
上記した技術面を改善しようとしている人はこれに当てはまりやすいですね。
悪い所探しが上手になり、良い所探しが下手になっていく。
そんな自分が好きになれますか?
そんな自分に自信が持てますか?
④マイナス思考
上手くいったら「これはまぐれだ」と思い、
上手くいかなかったら「やっぱりそうなんだ」と考える。
良い事を無視し、悪い事へすり替えてしまう。
周囲が今のボール良かった感じするけど、どう?と聞かれると、
「今のは駄目だね」と悪い方へ持っていってしまう癖。
周りがついて来れなくてなっちゃうよ。
自分の本音がついて来れなくなっちゃうよ。
⑤結論の飛躍
他人の「心を読み過ぎ」たり「先読みし過ぎ」たりする事で、ネガティブな可能性を推測し「先読みを誤る」。
当人に尋ねる事なく最悪のケースを推測し、対処してしまう。
「監督今の絶対駄目だって思ったよな!」
「次は良い球投げなきゃレギュラー外される」
⑥拡大解釈、過少解釈
失敗は過大受け取り、成功は実際より小さく考える。
日本人はこれが「謙虚だ」と思う節があるので注意も必要です。
⑦感情の理由づけ
感情のみを根拠とし、自分の考えが正しいと結論づける。
ネガティブ感情により物事の真実を覆い隠し、その感情にリンクした考えを現実らしく経験させてしまう。
イライラしている時に他人の発言に、ネガティブ感情を利用して怒鳴り散らす。
⑧~すべき思考
他人や自分自身の直面しているケースに関係なく、「~すべきである」「~しなければならない」と期待している。
「プロを目指すなら1日200球は投げ込むべき」
「イップスを治すには悪い所を見つけ改善しなければならない」
⑨レッテル貼り
行きすぎた一般化よりひどいケース。
偶発的、外因性の出来事なのに、これまでの行動と結びつけて、ネガティブなレッテルを貼ること。
それにより間違った認知、人間像の創造につながる。
自分自身にも他人にも行ってしまう。
「ミスしたあいつはろくでなしだ」
⑩誤った自己責任化
自分がコントロールできない結果にも自分の責任と結論付けてしまう。
「今日雨が降って試合が中止になってしまったのは自分の責任だ」
こういった思考パターンを持つ傾向のある人は、ネガティブな思考や感情を強化し、事実ではない歪んだ現実をや考え気分を生み出してしまう。
イップス世界から抜け出した○○な世界をイメージする
イップスに悩む人は、イップス情報を集めてしまい、イップスの世界に居続ける傾向があります。
イップスには○○をした方がいいらしいよ。
私はイップス克服のために○○をしています。
僕の場合は○○をしています。
同じ悩みを抱える者同士が集まり世界を強固なものにしてしまっています。
イップスを克服したいのであれば、イップス経験の無い人からのサポートが最適です。
また自分自身もイップスのことを考える時間を減らす必要があります。
イップスと戦っている限りイップス世界に身を置くことになります。
想像して下さい。
あなたが日本を抜け出しアメリカに到着したとします。
あなたは周りのアメリカ人に日本人に話すのと同じように日本語で話しかけますか?
どうしますか?
もう一生日本には帰れないとしたらあなたは日本語を使い続けますか?
想像して下さい。
イップスの世界からあなたはどこの世界に抜け出したいですか?
もし抜け出せたらその世界であなたはイップスのことを考えていますか?あなたはイップス克服のために何かをしていますか?
イップス克服のための練習は、あなたをイップス世界に居続けさせます。
イップス世界から抜け出したその先の自分をイメージするようにしましょう。
まとめ
野球イップスが治らないと悩んでいる人のために、
前半では「野球イップスを治すためにやっていた大きな間違え」について解説しました。
イップスが治らない人は「イップスを技術の問題」と勘違いしています。
技術が問題なら技術が身に付くまでイップスは出続けるはずです。
しかし、多くの人は出たり出なかったりを繰り返しています。
つまり、イップスは技術の問題ではないということです。
後半では「野球イップスを治すためのヒント」について解説しました。
イップスを知り、本質的な原因を知り、自分の無意識、本音に目を向けることを解説しました。
知らない間に、物事に対する認知がゆがみ、イップスを発症しやすい思考パターンが作られてしまっています。
そこに気づく必要があります。
そして、イップス世界から抜け出したその先の世界をイメージするのです。
イップスは気が付いたら減っていた、出なくなっていたとなります。
自分で自分の本音に向き合うことは難しいと思います。
早期に改善したい人は専門家にご相談下さい。