
腰痛に悩む人の中には、家から出られない、寝たきりになってしまっている人たちもいます。なぜそのような状態にまでなってしまうのか!
それは、腰痛に対する認知が関係しています。
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腰痛に対する認知
慢性腰痛に悩んでいる人は、腰痛に対してどんな認知をしているのでしょうか?
それは『恐怖』です。
- 動いたらまたあの痛みが起こるのではないかという恐怖
- もう2度とあの痛みを経験したくないという恐怖
- いつまたぎっくり腰に襲われるかわからないという恐怖
- 腰痛がどんどん悪化していくのではという恐怖
- 医療者からの不適切な態度や説明による恐怖
- 原因がわからない腰痛への恐怖
- 医療者から見せられた検査画像への恐怖
健康な人でも仕事をし過ぎたり、過度な運動を行った時などに次の日腰痛を経験することがあると思います。
しかし、腰痛に対して恐怖で支配されることはなく、いつか治るさと楽観的だったりするため、数日、長くても1週間程度で腰痛は改善されていきます。
慢性腰痛に悩まされている人は、最初にひどく苦しいぎっくり腰を経験したからその痛みに恐怖を抱いたのかもしれません、または、大した腰痛ではなかったけど医師や施術者などから恐怖を植え付けられ通院するごとに恐怖を増悪させていったのかもしれません。
色々なパターンはあるにしろ『腰痛は恐いものだ』と捉えているのです。
恐怖以外の認知
慢性腰痛に悩む人は、「恐怖」以外にも腰痛に対する間違った認知があります。
- 腰痛は長引くものである
- 腰痛は安静にしていなければならない
- 腰痛は動くと悪化する
- 腰痛はコルセットが必要
- 椎間板ヘルニアが腰痛の原因
- 脊柱管狭窄症が腰痛の原因
これらは経験的に身に付けた場合もありますが、本や雑誌、テレビなどのメディアから得た情報だったり、医師や整体師から与えられた間違った情報かもしれません。
昔から『痛い時は安静第一』と教わって来た人が多いと思いますが、
腰痛の新常識では『腰痛はできる範囲で動く』が大切です。
この古い情報から新しい情報へ認知を変えることも大切です。
腰痛は動くと悪化するのではなく、状態が良くないのに無理に動きすぎた場合に悪化する可能性があるだけです。
コルセットは腰痛に効果は期待できません。
腰痛は放っておいても治ります、長引きません。もし何か病気が隠れていて長引くようなら病院の検査でわかるはずです。
椎間板ヘルニアも脊柱管狭窄症も腰痛の原因とは言い切れないことがわかっています。
腰痛の85%は原因不明
新しい認知に変化するために、腰痛について知ることも大切です。
腰痛には、急性腰痛いわゆるぎっくり腰と慢性腰痛があります。3ヶ月以上腰痛に悩むような場合が慢性腰痛です。
その他に、特異的腰痛と非特異的腰痛があります。
特異的腰痛とは
特異的腰痛は、原因がわかる腰痛です。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、怪我などによる腰痛です。しかし、特異的腰痛は腰痛の15%にしかすぎません。
非特異的腰痛とは
非特異的腰痛は、腰痛の85%にも及ぶ原因がよくわからない腰痛です。
よくわからないとは、
- 画像検査では異常が見えない
- 画像検査で腰に異常があってもそれが痛む原因とはいえない
- そもそも腰に異常がない
整形外科に腰痛で行くと100%と言っていいほどレントゲン検査を受けると思います。しかし、画像に写る所見は、歳相応の変化だったり、痛みに全く関係なかったりする場合があると言うことなのです。
しかし、慢性腰痛に悩む人のほとんどが、「私はヘルニアなんで・・・」とか「私は狭窄症だから・・・」と言います。
椎間板ヘルニアは9割が自然に治る
画像検査で写った所見に整形外科医はこじつけるように診断名をつけたりします。その診断名と画像に「恐怖心」を抱いてしまう人がいます。
しかし、レントゲンにそもそも椎間板は写りません。
また、新常識では、椎間板ヘルニアは放っておいても9割が自然に治るといわれています。ヘルニアは、飛び出すという意味です。椎間板が飛び出すことを椎間板ヘルニアというわけですが、この飛び出したヘルニアが神経を圧迫して腰痛が出ると昔は言われていました。
しかし、飛び出したヘルニアは、私たちが持つ免疫システムの中のマクロファージと呼ばれる異物除去細胞が3ヶ月以内に食べてくれることがわかったそうです。
ですから、何十年も前に言われた椎間板ヘルニアの診断に恐れることはないのです!
認知を変えるために必要なこと
では、どうすれば認知が変えられるのかということですが、
現在はインターネットが普及した情報化社会です。
そのため、腰痛に関する情報は、世界中に腐るほど飛び交っています。
そこから正しい情報を手に入れて行くしかありません。
正しい情報の見極め方
- 情報元が書いてあるか
- いつの情報なのか
- 個人レベルの話ではないか
- 信頼できるレベルの研究発表がされているか
などに注意して探してみることです。
私が開発した施術法ですとか、私だけしかできない施術法とか、当院だけの独自療法といった類は、全て信用しないほうが良いと私は思います。
情報は、自ら探し自ら確認する必要がある時代になったのです。情報を收集・比較・検討してリテラシーを高めましょう。
まとめ
腰痛に悩み慢性化している人が、今後改善していくためには、現在の腰痛に対する間違った認知(捉え方、考え)から正しい認知へ変化する必要があるという内容でした。
慢性腰痛の人は、腰痛に対し「恐怖心」を抱き、まだ起こってもいない腰痛に怯えてしまっています。また、古い情報で間違った行動を取っている人もいます。
新しい情報は、腰痛は動ける範囲で動く、安静は腰痛を悪化させる、ほとんどの腰痛が原因不明ということです。
是非、認知を変えて慢性腰痛改善に役立ててみてください