
昨今では何でもすぐに手に入る。
インターネットで注文すれば明日には届く。
2日と待てない人もある。
便利な時代で我慢ができない人は損をする。
日々の臨床をしていても魔法のような治療を求めている人がいる。
巷に広がるゴッドハンド。
魔法のように治してくれる施術者をメディアが作り上げた結果、それを求める安直な人ができあがってしまったのだ。
ぎっくり腰や原因がわかりやすいような症状であれば、簡単に治る。
他の症状でもこちらが驚くほど劇的に改善した例は、長く臨床をしていれば経験があるものだ。
しかし、それを己の手柄としては問題だ。
自然の原理を忘れてしまう。
我々は生まれた頃より治る力を持ち、治る力が様々な問題を解決してきてくれた。
歳を重ねるごとにその力を邪魔する要因が増えてくる。
つまり、悩んでいる症状を治していくためには、治る力が邪魔しないように、しっかり働くようにしていく必要があるのだ。
そうすれば、施術を受ける必要がなくなる。
施術者に治して頂いた、と勘違いしてしまうと、自分の治る力を軽視し、自信をなくし、依存の道を進んでしまう。
私たちが歩けるようになったのも遺伝子に組み込まれた情報から赤ん坊の頃にたくさん失敗を積み重ねた結果だ。
遺伝子に組み込まれていても歩かなければ歩けるようにはならない。
日本語を話せるのも日本語に触れてきたからにすぎない。
日本人だからではない。
我が娘は知らないうちにおりがみがとても上手に折れるようになっていた。
父の知らないところでおりがみを折ることを積み重ねて来ていたようだ。
積み重ねて得られるものは大きい。
しかし、その過程で他人に評価されるものではない。
己が日々コツコツと積み重ねて実践するしかない。
それができるかどうかで道が変わる。
健康は維持するために日々の積み重ねが大切である。
甘い言葉、魔法のような文言に騙されず、己の治る力を知り、信じてほしい。
折角頂いた人生をより良いものにしてもらいたい。
そのためにも様々な人をサポートできるよう自己成長を積み重ねていく。
がんばります。
篠崎大輔