
慢性腰痛にお困りのあなたへ参考になる1冊をご紹介致します。
腰痛に対する正しい(新しい)知識を学習することで、腰痛に対する認知が変わっていきます。すると、慢性腰痛は改善する可能性があるのです!
1冊読むだけで変わる人もいれば何冊か読む必要がある人もいるかもしれません。
当院でおすすめしている本をブログでもご紹介していきます。
著者紹介:紺野愼一
福島県立医科大学医学部整形外科学講座教授
内容紹介 amazonより引用
腰痛は、正しく理解することが、回復への第一歩。正しい情報こそが、いちばんの特効薬!
腰痛に悩む人は国内で約2300万人。しかし、腰痛の85%は重篤な病気ではなく、ヘルニアは90%が自然に治ります。
逆に、身体に異常が見られなくても、ストレスや不安があると腰痛が出やすくなります。
原因のはっきりしない「非特異的腰痛」のほか、「腰部脊柱管狭窄症」「椎間板ヘルニア」などによる腰の痛みが正しく理解でき、腰痛を自分で改善する方法を解説。
医療が必要な場合の目安もわかる! あなたの腰痛がなぜ治らないのか、どうすれば治るのかがはっきりわかる本。
目次
はじめに
第一章:知らなかった!科学的根拠に基づく腰痛の新常識
第二章:これが最新の科学的根拠に基づく腰痛の診断と治療
第三章:認知行動療法を使った腰痛治療の実例
第四章:科学的根拠に基づく腰痛を予防する生活習慣
ポイント
慢性腰痛に悩まされている患者さんを診察してきた紺野教授が気づかされた共通点には、以下があるそうです。
①腰痛に対する間違った考え方を刷り込まれ強固に持っている。
②科学的な根拠に基づく適切な治療を受けていないことが多い。
③現在、治療を受けている医療者に対する信頼感や治療に対する満足度が低い。
④自分の身体に対して完全主義なとらえ方をしがちで、少しでも痛みが残ったり、以前のように戻らなかったりすると、治癒したとは決して認められない。
これらのどれか1つでも当てはまるようであれば、この本を通読することを著者は薦めています。
そして、腰痛に対する新しい考え方、科学的根拠に基づく腰痛治療方法が書かれています。
今までは、腰痛は骨や関節、椎間板の変形により起こると考えられていたが、今はそれだけの要素ではなく「心理・社会的要因」が加わって起こることのほうが多いという。
急性腰痛、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、仙腸関節の機能異常、骨粗鬆症、分離症に対する科学的根拠に基づく治療方法もまとめられていてとてもわかりやすい。
慢性腰痛の科学的根拠に基づく治療のなかで、福島県立医科大学病院でも一定の成果を挙げている認知行動療法についても実例とともに紹介されている。
最後には、腰痛を予防する生活習慣について書かれていて、ストレスとの関わり方、運動、食事などについてまとめられている。
感想
腰痛患者さんを診ている医療者、施術者にとってはとても学びになる書籍だと思います。科学的根拠のある話のため、今まで学んできたことがひっくり返されてしまい、読むことで悩みになる先生方もいるかもしれませんが、患者さんに対して自信を持ってお話できるようになると思います。
一方、一般の慢性腰痛に悩まれている当事者にとってどうかと言うと、少し長くて難しい内容かもしれません。特に、医学用語が多く出てくる点がマイナスポイントのように思います。スラスラ読むには大変かもしれませんが、親切なことに医学用語には振り仮名が振ってあるのでその点では読みやすいかと思います。
しかし、内容は充実していますので、長年慢性腰痛に悩んでいる方は時間がかかっても通読されることをおすすめします。
または、「はじめに」と第一章の最初の方に書かれている腰痛の新常識について読んでから、最後の章の『科学的根拠に基づく腰痛を予防する生活習慣』を読み、その後に自分に関係するページや興味のあるページを目次で探しながら読破するのも良いかもしれませんね。
当ブログで紹介する書籍を何冊か読むことで、整形外科や整体・カイロプラクティックその他の療法のどこへ相談に行き、どの先生にサポートしてもらえばあなたの腰痛が良くなりそうかが判断できるようになってくると思います。あなた自身のために一歩ずつ読み進めてみてください。